かたらい上手さんのひとりごと/001:短編小説

かたらい上手さんのひとりごと
かたらい上手さんのひとりごと

基本的にこのブログ全体としては
・小豆島
・からかい上手の高木さん
この2点に関係する記事だけを書いていこうと思っています。

が、たまには全く関係ないことも書きたくもなるなぁと。

 

ということで勝手に始めます、
【かたらい上手さんのひとりごと】
シリーズ開幕です!

 

 

記念すべき第一回目は…

短編小説を書こうと思います。

 

なんで急に?って感じなんですが、
趣深い作品に触れて考察し、感性に響いていくたびに
「自分でも作ってみたい!」
と思ったんですよね♬

そして友人から、
「その感性を持つ人が書いた小説(作品?)を読んでみたい」
との声もいただいたので、
僭越ながらここでデビュー作に当たるものを公開しようかなと🤣

この文を書いている段階では見切り発車で
どんな作品がうまれるかはわかりませんが、
何かしらの印象が伝われば幸いです✨

 

それではどうぞ!

 

 

 

 

 

——————————

 

 

題:「これは君の物語だ

 

 

 

「『さあ、行け。
  これは君の物語だ。』」

唐突にそう言われ、
必要なものを受け取り、発つ。

 

君の物語?
バカバカしい。

ちょっと立場が違うだけの同族が何を。
お前が敷いたレールの上を進むだけじゃないか。

 

確かに物語と考えると主人公に当たるのだろう。
大いなる役割を担っている。
使命があるのだ。

 

そう、使命。

【命を使われて】いる。

自らの意思ではないように感じている。

 

 

 

 

精神面が万全ではないが目的地へ歩みを進める。

 

到着するまでの道のりは自由だ。

どんな風に寄り道してもいいし、
途中で自らの鍛錬をしても良い。

 

自由なように感じる?
そうかもしれない。

しかし目的地は選べないのだ。

何があろうとも、そこへ行かなければ
【自分の時間】が進まない。

ちょっとした道のりは選べても、
目的地は決められている。

 

 

 

 

最初の目的地に着いた。
ここにはたくさんのヒトがいる。

おはよう!昨日出た宿題やってきた?難しかったよね~
我々の村へようこそ!まずは長旅の疲れを癒されては?

「『うん、そうだね。』」

 

他愛のない返事をする。

 

こういった場ではある程度話を合わせるのも大切なこと。
十分ぶっきらぼうだとも思うけれど。

あと、結構やることもたくさんあったりする。
最初だから色々な準備をするのは仕方ないね。

 

いろんな意味でまだまだひよっこ。
使命を意識する余裕もない。
がむしゃらに生きてやるって感じ。

それこそ自分が真に主人公となるべく邁進した。

 

 

さて、最初の目的地でやることはやった。
次の地へ向かおう。

 

 

 

 

当たり障りなく次なる地へ到着。

新たな出会いもあるようだ。

ちょっと大人になった感じするよな~。帰りにコンビニとか寄ってかない?
遠くから遥々よく来たね、ここは商人の街だ!装備品整えていかないかい?

「『確かに、それはいいね!』」
 

物語は少しずつ深みを増していく。
自我が芽生えて、それを自覚してきて、
様々な感情が出てくるのはこの辺り。

冒頭の想いを改めて強く感じたのはこの時くらいか。

 

さて、ここまで嫌々過ごしているように話をしたが、
実際はそれだけではない。
目的地に着いたときは気分が上がったりもする。

もちろん楽しくないときもあるけれど。

(今回はどんなことがあるのだろうか。)
(新しい発見や出会いはあるかな。)

そんな思いがしばしば頭をよぎる。
今回も新たな出会いがあってワクワクした。

 

どうしても否めない「やらされ感」があるだけ。
そういう感情もこの辺りで生まれていく。

ただ、こんな感情はうまれてきて
良かったものなのだとも思う。

自分を強く意識できるのだから。

 

 

さて、また次の地へ向かおう。

お、次は目指す場所を選んでいいのか?
楽しくなってきたじゃないか。

 

 

 

 

と、ここで少し力不足を感じてきた。
どうも流されるがままの過ごし方ではいけないらしい。

少し寄り道をして鍛錬をしよう。
とにかく力をつけるのだ。

 

でも正直めんどくさい。

確かに力はついていくのだが、
なぜだか義務感がある。

 

 

 

 

悪い予感は的中する。

確かに目的地は選べた。
なんなら【行かない】という選択肢もあるくらいだ。

 

だがその選択権は完全実力主義だった。

しかも行かなくてもいいとか言っておきながら、
行った方が圧倒的にお得な特典ばかりなのだ。

将来の進路を見据えて今からしっかり勉強しろよ~
 いい大学とかに進んで、立派な仕事に努められるように頑張りなさい

ここで己の力を高めれば、魔王を倒しうる武器が手に入る
 挑むかどうかはお前が決めることだ。心と力が弱き者は去るが良い!

「『なんだよそれ。やるしかないじゃん。』」

 

ここで物語の終着点も見えてきた。
すなわち【使命】である。

大いなる役割であることは確かだ。
しかし全く希望を感じない。

自分自身が。

 

世界にとっては意味があるのだ。
使命を果たすことで大きく好転する。

だが自分自身はなにも変わらない。
その輪廻に囚われ続けるのだ。

 

ほら、見えてきた。
旅の終着点だ。

この度は入社おめでとうございます。
 これから身を粉にして働いてもらうよ。

我こそがこの世界を支配する魔王である。
 世界を救いたければ我を倒すしかない!

「『やってやるよ!!』」

 

もはや返答なんてやけくそだ。

この使命はいつまで経っても終わらない。
たとえ成し遂げたとしても。

まるで時間がループしているかのように、
何度も何度も繰り返す。

あるいは本当に時間は進んでいないのかもしれない。
本体だけが劣化していく。

 

 

 

 

 

 

あれからどれほどの時が経っただろうか。

同じ景色しか見ていない。

まるで時が経っていないかのように、
何度も何度も繰り返している。

終わりが見えない。
命が先に尽きてしまいそうだ。

 

と、ふいに。

光が差した。

それは今まで見たことないような。
あるいは懐かしいような。

でも知らない光。

 

よく見ると光の先になにかが在る。

まるで其れに呼ばれているようだ。

 

「『(実際にあなたの人生を変えた一言、
   あなたの人生を救った一言はありますか?)
』」

 

少し怖い。
敷かれたレールを歩み続けてきたから、
はみ出すことに恐怖心がある。

でも、これはきっと輪廻を抜け出す光。

 

応えるか否か。

 

すぐにでも応えたい気持ちはある。
この輪廻から抜け出せるのだ。

だが同時に【使命】から逃げているような気もして。
そして恐怖心もあって。

悩む。

 

と、光が小さくなっていく。
どうやら悩んでいる時間はなさそうだ。

 

応えるか否か。

 

俺は、
俺の意思は─

 

 

 

 

 

 

あれからどれほどの時が経っただろうか。

 

応えたか否か。

どちらを選択したかは語る必要もないだろう。

 

なぜなら、

これは君の物語なのだから。

 

 

——————————

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました😆
いかがでしたでしょうか…!

 

いつか一冊は本として出したいと思っていますので、
差し支えなければ屈託のないご意見をお待ちしております(m´・ω・`)m

 

 

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